各種報道されたり総務省のHPに掲載されたりして注意喚起された「アナログ戻し」について。
ひと昔前には「この辺りは光エリアになったのでアナログ回線が使えなくなります。変更しましょう」といった誘い文句がありましたが、今は逆なんですね。
「ネット利用していないなら光回線よりアナログ回線に戻した方が安くなりますよ」といった誘い文句で被害に遭われた方が急増している、というニュースを目にしました。
総務省でも注意喚起されています。
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000459.html
NTT東日本のHPでも注意喚起されています。
https://www.ntt-east.co.jp/info/detail/210805_01.html
一体どういうことなのか。
恐らく「インターネットを利用していない」けど「フレッツ光を利用している」方は、以下のような契約になっていると思います。(一例です)
| ― | 戸建 | 集合住宅 |
|---|---|---|
| フレッツ光ライトプラン | 3,080円 | 2,200円 |
| ひかり電話 | 550円 | 550円 |
| ひかり電話対応機器使用料 | 0円 | 495円 |
一方、「インターネットを利用していない」ので「アナログ回線を利用している」方は、以下のような契約になっていると思います。(一例です)
| ― | アナログ回線 | アナログ・ライト回線 |
|---|---|---|
| 電話 | 1,870円 | 2,145円 |
単純にざる計算で比較してみると。
ひかり回線 約3000円~4000円
アナログ回線 約2000円
アナログ回線の方が1000円~2000円ぐらい安くなりますね。
確かに「アナログ回線の方が安いです」の言葉に嘘はありません。
ではなぜ被害報告が上がってくるのか。
それは、被害者と電話会社との間に入った代理業者の「手数料」や「サポート料」が問題視されているから、と言えるようです。
ひかり電話からアナログ回線に戻すには、契約者がNTT東日本に申込すれば手続きできます。
窓口の人も慣れてるので、申込者の背景を聞きながら工事日とか契約内容とかを進めてくれるはずです。私からすれば、間に代理業者を挟む必要はないんですよね。
逆に代理人を挟むことで本人確認に時間がかかるんじゃないでしょうか。
代理人はいわゆる「第三者」なので、契約者に必ず「意思確認」が必要なはず。
委任状を書いて渡してるなら意思確認は省略されるかもしれませんので、そうなれば後は代理人と被害者の間でどのような契約を結んだのか、になると思いますが――電話契約は「電気通信事業法」に則って行われるものなので、どのような契約を結んだのか、事業者は契約者に「お知らせ」する必要があります。
新しい契約を結んだ場合、今までと契約内容が異なる契約を結んだ場合。
これらに該当する注文を受付した場合、事業者は必ずお知らせしなければいけない、と電気通信事業法によって定められています。
書面交付の義務ですね。
NTT東日本だけではなく、すべての電気通信事業者(電話会社、インターネットサービスプロバイダ、携帯会社など)。
そのため、仲介業者に申し込んだ場合でも契約者に書面が届いているはずですので、まずは探すのがいいと思います。
届いていないなら事業者に確認しましょう。
お知らせが契約者に届かないような申込みをされていれば、その業者は不審ですね。
私だったら業者に「どういうことか」と問い合わせします。
ちなみに上記の表はあくまで「単純に」比較しただけですので「アナログ回線の方が安いです」と伝えましたが、「安い」イコール「良い」にはなりません。
単純な比較では割高に見えますが、あとは契約者の使い方次第では「フレッツ光の方が安い」になるかもしれません。もちろん、当てはまらない方もいます。ただ、そういう方は全体から見て少数かと思います。
今はフレッツ光を契約する理由が「インターネットを使うから」「パソコンを使うから」だけではありません。
アナログ回線は「通話」しかできません。
通話は相手方が遠方になるほど通話料金も高くなっていきます。
※マイグレーションによって今後は全国一律の通話料金になる予定です
一方でフレッツ光は多種多様なサービスと連携できる、基盤となる回線です。
民放を見ることができたり、カメラ通信を利用したり、今だと卸事業によって、ガスや電気会社とまとめることで月額を安く抑えたりすることも可能になりました。
今回のお話で被害に遭う人って、インターネットはスマホがあるし、電話もあまり利用しないけど、緊急用や連絡用として電話番号は残しておきたい、通話ができればいい、という人たちのような気がします。もちろんインターネットは使わない、という人は尚更被害に遭いやすいと思います。
電話を使わないなら、それこそ「ひかり電話」に変更すると「約500円」で使えるから、節約になるんですけどね。
コロナ禍のテレワークや生活様式の見直しで、インターネットの需要も高まっていますし。
月額高くなるから家にネットは引いていない。と言ってる人を良く見ますが、そういう人たちの手には必ずスマホ。私としてはスマホに1万以上かけるなら、光回線を引いて安く済ませた方がいい、と思います。
外出してもスマホをあまり使用しない、あくまで私個人の見解です。

